Maker x Creator Series
Magemonogatari
Beyond Bento
Hakata Magemono 博多曲物の再定義
Magemonogatari 1.0で伝統的な博多曲物の素晴らしさを再発見しましょう。今までにない曲げわっぱの使い方やその柔軟な構造についての学習を通して人々の関心と市場喚起を促し、時代を超えて愛される工芸品に新たな命を吹き込みます。
The Town
馬出 福岡東区
箱崎は、応神天皇がお生まれになったときの御胞衣が箱に入れられ祀られた筥崎宮のある場所で、博多曲物の発祥の地として知られています。
その数百メートル先にあるのが馬出。かつては神社の職員や労働者たちが多く住み、大変繁栄した町でした。1930年代まで、神社への参道には、家族単位で営む屋根の葺板や神具を作り販売する工芸店が20軒以上も並んでいました。各家族ごとに独自の工芸技術とスタイルを持ち、それらは何世代にもわたって受け継がれています。この地域で作られる曲物は地名を取って「馬出曲物」と呼ばれていましたが、その後「博多曲物」へと変更されました。
The Creator
タケトンボ Goenne.com
タケトンボは、2018年創立の福岡を拠点とする社会的企業。アーティスティック・インターベンションとクリエイティブ活動を通じて日本の伝統工芸の再活性化に取り組んでいます。
Magemonogatariプロジェクトは、現代の生活により適した曲物を作ることで、伝統工芸の再活性化、手工芸品の再評価、そして海外市場の構築を目指すものとして、2021年に始まりました。2023年5月の熟練職人・森田氏が無念にも引退せざるを得ず、日本の伝統工芸の衰退を体感し、このプロジェクトによる曲物技術・技能継承の重要性を広める役割を担いたいと一層強く感じています。タケトンボにとっても地元である福岡。博多曲物という地域に根ざす伝統工芸は、福岡人としての誇りを持ち守り続けるべき宝物です。
The Maker
柴田徳商店
300年ほど前、人で賑わう馬出の中心街には、曲物弁当箱を作り販売する店が20軒以上も並んでいました。柴田徳商店はその中の一つ。現在も当時と同じ場所で曲物づくりを続けています。5代目・柴田徳五郎氏は、伝統工芸の曲物師として福岡市の無形文化財に指定されています。2017年に6代目となる柴田淑子氏が、50年以上の実績を誇る曲物職人の森田泰三氏と共同で、伝統と商店を引き継ぎました。しかし、今の馬出では、人びとが道で足を止め、店先で作業する職人の姿を眺めたり、話を直接聞いたりするような風景は見られなくなっています。